高血圧症の食事療法
静かに忍び寄る「高血圧」にご注意を!
高血圧は特別な症状が出ないことが多く、サイレント・キラーと呼ばれるほどです。
知らない間に血管や心臓に負担がかかり、やがて突然、脳卒中や心臓病の発作を起こす場合があります。
血圧が高いと言われたら、自覚症状がなくても治療を開始!
原因となる食塩のとりすぎ、肥満、運動不足、アルコールの飲みすぎ、ストレスなどを解消してください。

高血圧の撃退法
  1. 高血圧は心臓と血管に負担!
    高血圧の状態を放っておくと、心臓は高い血圧に対抗して働くため負担がかかり、しだいに機能が低下します。また、血管にも高い圧カがかかるため、血管壁が厚くなり、動脈硬化を起こします。その結果、心不全・腎臓病・脳梗塞などにかかりやすくなります。高血圧とは、上(収縮期)が140mmHg以上、下(拡張期)が90mmHg以上の場合をいいます。
  1. 治療は、まず食事療法が大原則
    治療を開始するには、まず食事療法が必要。塩分を控え、栄養バランスのとれた食事をとり、アルコールを控えます。
    肥満ぎみの場合は減量を! 禁煙もぜひ必要です。
  1. さらに、定期的に適度な運動を
    運動をすると、その時は血圧が上がりますが、続けているとふだんの血圧が低くなってし、きます(トレーニング効果)。
    体操・早歩き・水泳・テニス・軽いジョギングなどを無理なく定期的に行し、ます。


食事療法は、まず塩分を控えること
POINT 1
塩分は1日6〜8gに!
日本人の1日の平均塩分摂取量は、13g くらい高血圧の人は、この半分にすることになります。
塩分は、すべて「塩」からとっているわけではなく、半分は加工食品に含まれる塩分。
残りが、みそ・しょうゆ・ソースといった調味料からとっています。
  1. 加工食品を控えめに
    調味料を控えるだけでなく、加工食品を控えることが塩分のとりすぎを防ぎます。

    塩鮭(甘塩) 1切れ100g 2.6g
    たらこ 1/2腹 1.8g
    プレス八ム 2枚 0.7g
    フランクフルト・ソーセージ1本 1.0g
    しらす干し 大さじ2杯 0.4g
    梅干し 1個 2.2g
    かまぼこ 2切れ50g 1.3g
    たくあん 3切れ 1.3g
  1. 汁物はも1日1杯以下 つゆを残します
    みそ汁・すまし汁・洋風のスープ類などは、おわん1杯で約2gの塩分が含まれます。なるべく汁物は控え、飲む時も具だくさんにしたり、量を七分目にするなど工夫します。

    みそ汁・すまし汁・洋風のスープ 2.0g
  1. めん類も旧1杯以下、つゆを残します
    うどんやそばなど和風のめん類でも、1人前の塩分は4〜5g。
    ラーメンはもっと多く、1人前で7〜8g!つゆを飲まずに食べても、半分は口に入るのでこ注意してください。めん類を食べる日は、ほかの食事で汁物を控えます。

    うどん・そば 4〜5g
    ラーメン 7〜8g
  1. 新鮮な材料で料理を!
    料理には、はじめから食塩が含まれる加工食品ではなく、新鮮な材料を使いたいもの。
    素材が新鮮なら、薄味でもおいしく食べられます。また、レモン・かぼすなどの柑橘類を味付けに使うと、減塩に効果的です。

    あじの開き 1枚 1.7g
    あじの塩焼き 1尾 1.0g
  1. 酸味や香辛料、香味、野菜を利用
    煮物より酢の物にするなど、酸味や香辛料(わさび・唐辛子など)、香味野菜(しょうが・ねぎ・しそなど)を上手に使うとおいしく減塩できます。カレーや辛子も血圧に影響がないので、味付けに利用します。

    ひじきの煮物 1人前 1.6g
    ひじきの酢の物 1人前 0.8g
  1. 洋風のメニューも取り入れて
    洋風の食事は、和風の献立より低塩分です。塩分の気になる人は、脂肪をとりすぎない程度に取り入れます。

    【和風】
    ご飯 1杯・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 0g
    味噌汁 1杯・・・・・・・・・・・・・・・・2.0g
    いわしの丸干し 2尾・・・・・・・・・・1.1g
    ほうれんそうのお浸し 小皿・・・・0.8g
    塩分 合計              3.9g
    【洋風】
    食パン 1枚(マーガリン)・・・・・・・・0.9g
    牛乳 1杯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0g
    チーズ 2切れ・・・・・・・・・・・・・・・・1.1g
    野菜サラダ 1皿(ドレッシング)・・・・0.5g
    塩分 計                2.5g
    ※パンには塩分があるので、おかずが薄昧でも気になりません。
    また、油を使うと薄味でもむいしく食べられます。
POINT 2
栄養バランスのとれた食事が大切です
  • 野菜や果物は毎日食べましょう
    野菜や果物には、血圧を下げる作用があるといわれるカリウムが豊富。野菜は毎食、果物は毎日1個とるようにします。
  • 牛乳は1日1杯
    カルシウムやマグネシウムにも血圧を下げる作用があります。両方を含む牛乳を、1日にコップ1杯〜1杯半とりたいもの。
  • 肉より魚がおすすめ
    飽和脂肪酸やコレステロールは動脈硬化を進めるため、肉より魚がおすすめです。油を使った料理は1日2品までとし、脂肪のとりすぎに注意します。
POINT 3
食べすぎに注意
太っている人は、やせるだけで血圧が下がる場合があります。太っていると心臓に負担をかけ、心筋梗塞が起こりやすくなったり、高脂血症になって動脈硬化が進みやすくなります。
食事量を適量まで減らしてぜひ減量をしてください。甘いもの(菓子・果物・ジュースなど)やアルコールの飲みすぎに注意します。
POINT 4
禁酒・節酒が必要
アルコールをよく飲む人が、アルコールを控えると血圧が下がることは、さまさまな調査で証明されています。どうしても飲みたい人は、毎日飲まず、1回の量を減らしてください。

どうしても飲みたい場合は
日本酒なら 1合
ビールなら 中びん1本
ウィスキーなら 水割り2杯で
POINT 5
禁煙をしてください
たばこのニコチンや一酸化炭素は、動脈硬化を進め、血圧を上げます。高血圧といわれたら、ぜひ禁煙してください。

高血圧解決Q&A
Q 塩分控えめの表示のある食品なら安心?
A 食品の栄養表示基準が変わり「塩分控えめ」などの表示は、その食品100gあたりに含まれるナトリウムが120mg以下の場合、表示できるようになりました。
いわゆる塩分というのは、ナトリウムの量を約2.5倍したもの。120mgのナトリウムは、約300mg(約0.3g)の塩分。
つまり、100gあたり塩分約0.3g以下の場合が「塩分控えめ」です。
いくら「塩分控えめ」でも、たくさん食べれば同じことなので注意してください。

Q アルコールは血圧を下げるというのは本当ですか?
お酒の種類で血圧にいいのはどれですか?
A お酒を飲むとアルコールが血管を広げ、血圧が下がります。でも、これは一時的なこと。毎日お酒を飲むと高血圧になりやすく、量が多いほど血圧が高いと報告されています。
お酒は種類に関係なく、含まれているアルコールの総量が問題です。

Q 外食のコツは?
A 次の点に注意してください。
和食
  • 漬物・汁物は残します(めん類の汁も)。
  • しょうゆやソースは控えめに。
  • にぎり寿司の塩分は1人前2g程度。つけしょうゆは控え、ガリは残します。
  • 弁当は味付けの濃いおかずがほとんど。漬物・佃煮は残します。
洋食
  • 洋食は和食に比べて塩分は少なめですが、カロリーオーバーや脂肪のとりすぎに注意。多い分は残します。
中華
  • 1人前の量が多く、塩分のとりすぎになるので、必ず残します。
  • スープやザーサイは残します。
  • あんかけ料理は、あんにからまった調味料をとりすぎるので注意。
  • 中華料理に使われる「うまみ調味料」は、グルタミン酸ソーダを含んでいて、塩分と同じ働きをします。舌に残る感じから判断して、たくさん使っていそうな店は避けます。